今週のPickUpニュース|2026年9月16日号

こんにちは、グレーシア会計事務所です。今週のPickUpニュースをお届けします。
9月も折り返しを迎えました。まだ暑さが残る一方で、企業実務では10月以降の制度変更への準備が本格化する時期です。今週は、来週に迫った国税システムの更改をはじめ、手形・小切手、最低賃金、賃上げ支援など、経営者や管理部門の方に確認していただきたい話題を取り上げます。
1.【税務】来週、e-Taxが5日以上利用できなくなります
まず今週、特に注意しておきたいのがe-Taxです。
国税庁は9月24日(木)に国税システムを更改します。これに伴い、e-Taxは9月19日(土)午前0時から9月24日(木)午前8時30分まで利用できません。さらに、9月26日(土)も終日メンテナンスとなります。
今回の更改では、一部の申告書・申請届出書・法定調書がAI-OCRでの読み取りに対応した新様式へ変わります。また、9月24日以降は、e-Taxで受け取れる処分通知等の範囲が拡大され、電子交付を希望する場合の同意方法も、原則として「申請の都度」から「事前の一括同意」へ変わります。
9月下旬に申告・納税・届出を予定している場合は、通常以上に早めの対応がおすすめです。自社で税務ソフトを利用している会社では、9月24日の更新への対応状況も確認しておきましょう。
2.【事業承継】非上場株式の評価方法、見直し議論が続く
国税庁では現在、相続税・贈与税における「取引相場のない株式」の評価方法について有識者会議を開催しています。9月11日には、第5回会議の議事要旨等が公表されました。
非上場会社の株価は、事業承継や自社株贈与を考えるオーナー経営者にとって重要な問題です。評価方法が変われば、同じ会社でも相続税・贈与税上の株価が変動する可能性があります。
現時点では「評価方法が変更された」と決まった段階ではありません。そのため過度に反応する必要はありませんが、数年以内に親族への株式移転や事業承継を予定している会社は、今後の議論を注視しておきたいところです。
3.【財務】手形・小切手の「9月30日問題」が目前に
経理担当者にとって、今月末は一つの節目になります。
電子交換所では2027年3月31日に手形・小切手の交換が終了する予定ですが、それに先立ち、多くの金融機関が2026年9月30日を手形・小切手の最終振出期限に設定しています。公正取引委員会も9月2日、取引先同士で協議し、電子的決済サービスへの移行を進めるよう改めて要請しました。
「うちは手形をほとんど使わない」という会社でも、取引先から受け取っているケースは要注意です。振込やインターネットバンキング、電子記録債権などへの切替えが済んでいるか、経理部門で一度確認しておきましょう。
支払方法が変わると、入金日や資金繰りにも影響します。単なる経理事務の変更ではなく、運転資金管理の問題として捉える必要があります。
4.【景気動向】4~6月期の実質GDPは前期比0.4%増
内閣府が9月8日に公表した2026年4~6月期GDPの2次速報では、実質GDPは前期比0.4%増となりました。名目GDPは1.3%増、名目GDPの実額は689.2兆円となっています。
マクロではプラス成長が続いていますが、中小企業では原材料費、人件費、金利などの上昇が利益を圧迫しているケースも少なくありません。
5.【大阪・人事労務】賃上げと設備投資をセットで考える
大阪府では9月1日から、中小企業等の賃上げと生産性向上を後押しする「業務改善・賃上げ促進補助金」の事前登録を開始しています。国の業務改善助成金を活用し、府独自の要件を満たす事業者に上乗せ支援を行う制度です。
また、大阪府では設備投資に対する融資の信用保証料支援など、複数の賃上げ支援策をまとめて展開しています。
10月以降は最低賃金の引上げも控えています。賃上げを単純な「固定費の増加」と考えるだけではなく、省力化設備やITへの投資によって1人当たりの生産性を上げられないかを同時に検討したいところです。
補助金は、設備を発注した後では対象にならないことがあります。設備更新を検討している会社は、購入前に利用できる制度がないか確認しておきましょう。
今週のトレンド用語:「フィジカルAI」
生成AIに続いて最近注目されているのが「フィジカルAI」です。
文章や画像を作るだけではなく、AIがカメラやセンサーなどから現実世界の状況を認識し、ロボットや機械を動かす技術を指します。製造現場のロボット、物流倉庫の自動搬送、店舗や介護現場など、活用範囲は広がっています。
中小企業にとっても、生成AIが「事務作業の省力化」だとすれば、フィジカルAIは将来的に「現場作業の省力化」を進める技術として注目しておきたいキーワードです。

今週のちょっとした雑学:9月はなぜ「長月」?
9月の旧暦名は「長月(ながつき)」です。
由来には諸説ありますが、秋になって日が短くなり、夜が長くなる「夜長月」が縮まって「長月」になったという説がよく知られています。
まだ残暑の厳しい時期ですが、これから徐々に日没も早くなります。季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもありますので、閲覧者の皆さまも忙しい中で無理をしすぎないようご自愛ください。
