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形見分けに税金はかかる?あげる側ももらう側も知っておきたい税金の知識

故人を偲び、思い出の品を家族や親しい方々で分け合う「形見分け」。故人の想いが詰まった品々を大切に受け継ぐ、温かい習慣です。

この形見分けについて税金がかかるのかどうか、時々質問を受けることがあります。今回は、形見分けにおける税金の取り扱いについて、あげる側・もらう側の両方の視点から解説します。

目次

形見分けは、法律上「贈与」とみなされる

まず、形見分けは遺族からの「贈与」にあたります。

一見すると、形見分けは、亡くなった方から(遺族を介して)受け取るようにも考えられます。しかし、法律的には相続人である遺族から故人の遺品を相続人ではない方へ無償で譲渡する行為であり、遺族から受け取る方に対する「贈与」として取り扱われます。そのため、形見分けで税金がかかるかどうかは、贈与税の観点から考える必要があります。

また、形見分けは一般的に金銭的価値(換金価値)が無いものや、金銭的価値(換金価値)が高くないものを形見分けすることが多いと考えられます。そのため、形見分けには税金がかからないケースが多いです。

しかし、形見分けといっても色々なケースがあります。例えば、現金、宝石、貴金属、ロレックスのような換金価値の高い腕時計、自動車、着物、個人が営んでいた事業の商品・製品を分けるという話もよく見聞きします。このような物品のうち、換金価値の高いものは遺産分割でのトラブルや、贈与税の申告漏れを起こすケースがあるため特に注意が必要です。

ケーススタディ

1.故人のアクセサリー(換金価値が低いもの)を遺族から形見分けで受け取った事例

受け取った側

この場合には、受け取った側に税金は課税されません。

贈与税については、仮に形見分けで受け取るアクセサリーに換金価値があっても、受け取った時における価値が110万円以下であれば、贈与税の基礎控除以下となることから贈与税の申告義務、納税は発生しません。

あげた側

贈与税の申告・納税義務は受け取る側にあるため、あげる側は贈与税がかかりません。

一方で、遺産が多額となり相続税の基礎控除を超える場合には、相続税の問題が生じます。換金価値が低いものであっても、相続税の計算上、課税財産の集計範囲に含まれてくるため注意が必要です。

2.現金300万円を遺族から形見分けで受け取った事例

受け取った側

「贈与ではなく形見分けだから贈与税はかからないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、このような明らかに価値のあるものや現金を形見分けで受け取った場合には、受け取った側(受贈者側)では、遺族から300万円の贈与を受けたという取扱いになります。

ただし、贈与税には、年間110万円の「基礎控除」があります。そのため、暦年単位で1年間に受け取った全ての贈与の合計額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません

例えば、形見分けとして貴金属や美術品などを譲り受け、その価値が100万円だったとします。他に贈与を受けていなければ、基礎控除額の範囲内であるため、贈与税はかからないということになります。

今回は現金で300万円を受けったということですので、贈与税の基礎控除を超えており、300万円-110万円で190万円が贈与税の課税対象となります。一般税率で200万円以下までは税率が10%のため、受け取った方は、贈与を受けた翌年3月15日までに19万円の贈与税を納税し、かつ贈与税申告書を提出することになります。

あげた側

贈与税の申告・納税義務は受け取る側にあるため、あげる側は贈与税がかかりません。

一方で、遺産が多額となり相続税の基礎控除を超える場合には、相続税の問題が生じます。形見分けは、故人→遺族である相続人→形見を受け取った方という順番に所有が移転するためです。相続税の相続税の計算上、課税財産の集計範囲に含まれてきます。

3.故人の法定相続人である遺族自身が形見分けと称して遺産を受け取った場合

「形見分け」という名目で亡くなった方の財産を法定相続人が自ら受け取った場合は、遺産を相続人から取得したという取扱いになります。

したがって、贈与には該当しないことから贈与税の問題は生じません。この場合、遺産が多額となり相続税の基礎控除を超える場合には、相続税がかかります。遺産が少なく基礎控除を超えない場合には相続税もかからないということになります。

形見分けをあげる側に注意点はある?

亡くなった方の遺産については、遺族である法定相続人の共有財産として取り扱われます。遺産を自由に処分するには原則として法定相続人全員の合意が必要になります。したがって、遺族のうち1人が独断で価値の高い物品を形見分けするとトラブルになる可能性があります。相続人全員で「誰に何を形見分けするか」を事前に話し合い、合意しておくことが大切です。

また、形見分けで渡した品物の価値が、故人の生前の想いと大きくかけ離れていないかも考慮すべき点です。例えば、故人が「この指輪は娘に」と生前に話していたものを、別の親戚に渡してしまうと、後々のトラブルにつながる可能性があります。

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