【freee会計 ワンポイント解説】freee会計に同期したAmazonビジネスAPIの残高が合わないときの対処法

目次

AmazonビジネスAPI連携が便利!

AmazonビジネスAPI連携は本当に便利です。
一般の会計ソフトで必要になる、請求書をWebサイトから印刷➡請求書をファイリング➡出金記録と請求書をもとに購買情報を仕訳として入力という一連の事務作業は不要になります。
freee会計ではAmazonビジネスの購買情報をAPI連携することでfreee会計に購買データが取り込まれます。これにより、取引情報の入力不要になります。また、Amazonビジネスで購入した商品1件単位で明細が連携されることから勘定科目も金額で取引を分割することなく設定可能です。さらに、請求書原本までfreee会計に自動保存されることで電子帳簿保存法も対応されます。

残高ズレとは?

freee会計を使用していて一番やっかいなのは残高ズレです。Amazonビジネスの購買情報がfreee会計で理論値通りに処理されている場合、以下の画像のように登録残高はゼロ円となります。

ところが、登録残高に金額が表示されることがよくあります。これはAmazonビジネスから取得した購入金額の合計が、freee会計上でAmazonビジネスを相手先として計上した金額の合計と不一致の場合にその不一致金額が表示されるものです。この状態を残高ズレと呼んでいます(以下の画像はゼロ円となっており正常な状態です)。

残高ズレが起きていると、freee会計上の費用計上漏れや、重複計上が起きている可能性が高いので精査が必要になります。これは当事務所の話なのですが、連携された明細が全件登録済になっているのにもかかわらず、登録残高が数万円という表示になり残高ズレが起きてしまいました。

いろいろと格闘してなんとか登録残高がゼロになるよう修正したのですが、原因を見つけることが想像以上に難しかったため、自分用の備忘メモも兼ねて以下でご案内します。

残高ズレの対象取引の見つけ方

残高ズレがあった場合には、「銀行の入出金データ」と「AmazonビジネスAPIの購買データ」の照合をすることでズレの対象取引を把握することが出来ます。
※以下では単純化するためにクレジットカードではなくデビットカード利用の場合について記載しています。

STEP1:freee会計で「AmazonビジネスAPI 口座」と「銀行 口座」のそれぞれの取引情報を突き合わせる。

①AmazonビジネスAPI口座の取引情報:
freee会計トップページ「銀行口座」➡「取引」タブをクリックすることで表示されます。
②銀行口座の取引情報:
freee会計トップページ「銀行口座」➡「口座振替」タブをクリックした先の画面で「条件で絞り込む」機能を使用し、振替元口座を対象の銀行、振替先口座に「AmazonビジネスAPI」を選択して絞り込むことで取得できます。

突き合わせることができずに残った金額が残高ズレの対象取引であることが分かります。

STEP2:ズレが起きている金額についてどの注文かを特定する。

ズレている対象の金額についてはSTEP1で判明しました。次はそれが実際にどの購買であるかを確認します。AmazonビジネスのWebサイトの注文履歴で同じ金額の注文がないかを確認すれば判明しますので、その明細がfreee会計で登録した明細を修正すべき対象です。
ではなぜズレが起きるのか、実際にズレていたものから原因を調査したので以下で解説します。

AmazonビジネスAPIの残高ズレが起きていた原因

原因① Amazonビジネスでデジタルコンテンツを購入している。

デジタルコンテンツについてはAmazonビジネスAPIの仕様上、freeeに連携されません。図に示すと下記のようなイメージです。Amazonビジネスで購買して決済方法をクレジットカード払いで銀行口座から引き落としをする場合、以下の3つが連携される必要があります。また、デビット払いの場合は、AmazonビジネスAPIと銀行口座の2つ連携される必要があります。

デジタルコンテンツの場合、AmazonビジネスAPIからの連携が無いので、手動で追加の明細を作成する必要があります。

ところで、「デジタルコンテンツ」とは何を指しているでしょうか。freeeヘルプセンターにて具体的な範囲として掲載されているのは、「Kindle本、PrimeVideo、Amazonコイン、Amazonプライム会費」です。これらを事業用に購入することはあまり無いかもしれませんが油断できません。実際に、当事務所で実際に連携されなかったデータとして、「Office365ダウンロード版」がありました。おそらくこの「デジタルコンテンツ」の中にはダウンロードソフトウェアの購入についても含まれていると推測されます。

この場合は、手入力でAmazonAPIの明細を追加してあげるか、対象の銀行の出金取引についておそらく「振替」が自動で処理されていると思うので、それを修正して「支払手数料」「通信費」「消耗品費」等の適切な科目で取引登録することで残高ズレが解消されます。

原因② 一般Amazon発注分の決済に対して自動処理が適用されてしまっている。

これは個人事業主の場合に起きやすいズレです。Amazonビジネスではなく、Amazonビジネスではない方の通常のAmazon(以下、一般Amazonと呼びます)で発注することもあるかもしれません。一般Amazonでセールをしていて、全く同じ商品でもAmazonビジネスより安く買えるケースがあったりします。

下図は普段はプライベート用の購買しか行っていない一般Amazonの決済フローと、ビジネス用の購買のみを行ってfreee会計とも連携しているAmazonビジネスの決済フローです。

事業用の物品一般Amazonで購入し、事業用のカードで決済するとき、残高ズレの原因になります。この場合は決済情報だけが連携されてくることから、AmazonビジネスAPIとの「振替」ではなく、出金に対して直接「消耗品費」等の費用科目を取引登録することで残高ズレが解消されます。

自動登録ルールで自動振替設定を「AMAZON.CO.JP」のキーワードで登録していると、上記のような一般Amazonの決済についても振替として登録されてしまっているはずなので注意が必要です。

このような取引をなくすためには上記フロー図の点線の部分を跨ぐような決済を行わないことです。amazonビジネスでの購買は事業用口座で引き落とすこと、プライベート用の一般Amazonで仕事用の購買を行った場合であってもプライベート口座で引き落とすことが処理がややこしくならないコツです。後から領収書をスキャンして取引登録すれば全く問題ありません(仕訳例:消耗品費/事業主借)。
ちなみにfreeeのアドバイザー相談会でもこのようなケースについて相談してみましたが、やはり運用面の工夫として決済口座を使い分けるのがコツということでした。

原因③ 取引のキャンセルや返品があった。

発注したのに在庫切れ等の理由で取引がキャンセルされることが稀にあります。その場合にも、AmazonビジネスAPIからfreee会計には購買情報が連携されないようです。データ連携状態としては原因①と同じような状態になります。

この場合は、対象の銀行口座で発注時の支払とキャンセル時の返金があると思いますが、どちらも「振替」として取引登録することで残高ズレが解消されます。

原因④:取引登録を重複させてしまっている(重複計上している)

残高ズレを直したり、何かの手違いで同じ取引について重複して取引登録してしまっていることも考えられます。そのような取引の有無については、上記「残高ズレの対象取引の見つけ方」でご紹介した取引明細を突き合わせる方法でも分かりますが、もっと効率的に重複登録を見つける方法としては、freee会計の機能「重複チェック」でも検出することができます。
freee会計の画面上部メニューの「取引」から「取引の一覧・登録」の画面に進み、「重複チェック」ボタンをクリックすれば実行することが可能です。

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